2022年8月12日金曜日

「深海6500」が水深6527mの世界記録達成(1989年8月11日)

「しんかい6500」は、友人の潜水調査船で、深度6500mまで潜ることができます。
ざっくりいうと水深10mあたり水圧は約1気圧増加しますから、水深6500mなので650気圧ですね。あ、それに1気圧追加です。(正確には681気圧だそうです)。
これって極端に言えば1平方mあたり6500tもの力が加わることになりますから尋常ではありません。力の単位で書けば約65MPaです。
深海の探査がいかに大変なのかが理解できそうです。
もちろん太陽光は全く届きませんから漆黒の闇で、強力なライトで照らしたとしても船体の周囲10mほどの範囲しか明るくならないのです。

JAMSTECより

ちなみにこの「しんかい6500」を製造したのは三菱重工です。1989年に運行を開始しているのでもう23年を迎えています。日本の技術のすごさは、人身事故を起こしていないということですね。
映画TOP GUN:Maverickでも「全員生還する」事を目標にしていたMaverickと、「多少の犠牲は致し方ない」と考えていた他の人たちとの違いと同じように感じるような気がします。

宇宙空間には色々な国が到達できていますが深海にはなかなか到達できずにいます。高水圧が最大の問題です。

地球の表面の約7割が海で、その平均水深は3800mです。このような潜水艦でしか到達できないような場所が地球表面の約5割を占めていることから考えると、色々と考えさせられます。
乗員は「耐圧殻」に3名。チタン合金でできていて、殻の厚さは73.5mmだそうですから、強烈です。そして高圧に耐えうるように真球です。ここ重要。

ここまでして何を調査しているのか?というと
 *地殻などのプレートの様子など地球内部の動きの調査
 *深海生物の生態系の調査
 *深海生物資源の利用やその保全のための調査
 *海底の堆積物調査
 *海底熱水系の調査
など様々です。

ちょっと気になって世界一位の潜水記録を調べてみると
第一位はイタリアのトリエステ。なんと10911m潜ったようですが、まさかの1960年。窓のクラックを発見してすぐ上がったということで、やっぱりなって気になってしまいます。


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焼き鳥の日(2007年8月10日)

焼き鳥を一般大衆に広め「焼き鳥の父」と呼ばれる根本忠雄が創業した株式会社鮒忠が2007(平成19)年に制定。全国やきとり連絡協議会も実施。

「や(8)きと(10)り」の語呂合せですが、全国焼き鳥連絡協議会のページを見て納得。日本の国民食でも有りますよね、焼き鳥は。それを世界にということでYAKITORIだそうです。

そして「焼き鳥の父」はブロイラーの肉を串焼きにした物を進駐軍に振る舞ったのが初めということですから、なるほどなという気がします。アイディアの価値ですね。そして彼の座右の銘が「怒るな・威張るな・欲張るな」と「利は薄く大衆奉仕」だそうです。

と考えるとどうだろう?最近の焼き鳥は高くないか??mなあ、それは人それぞれの価値観ですからね。

自分にとっての焼き鳥は、室蘭出身なので当然これです

豚肉とタマネギ、それにタレで洋からし。これが「焼き鳥」ですw

他に北海道で有名なのは「美唄市」の焼き鳥。これは「鳥」です。しかも内臓を使ってこれまた最高なんですよね。

これ、この前室蘭で食べた焼き鳥ですが、なかなか美唄で焼き鳥を食べるってチャンスがないですからね。というか美唄の焼き鳥屋さんで食べたことないな…行きたいですね。

せっかくなので調べてみると焼き鳥は「冬」の季語だそうです。まあ、年中食べてますけれどね。


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原子力潜水艦クルスク沈没(2000年8月12日)

奇しくも1989年の8月11日は日本の深海調査船「しんかい6500」が水深6527mまで潜水し、その後も人身事故を一切起こさずに進んできた話を紹介したわけですが、その翌日がこの大事故です。
ロシアの原子力潜水艦クルスク(K-141)は、ソ連が崩壊した後、初めて完成した原子力潜水艦です。完成は1992年です。
ソ連時代の設計で、原子力潜水艦の極地と言われています。長さが154m、最大幅が18.2m、吃水が9mとまあ馬鹿でかいです。
実際に任務に就いたのはコソボ紛争の時の一度。地中海に6ヶ月間配備されました。それは1999年のことです。

ソ連製同型の潜水艦:Wikipediaより

翌年(2000年)、ロシア海軍の演習、SummerXに酸化したクルスクは初日の8月10日はミサイルの発射に成功しました。ところが2日後の8月12日、演習用魚雷の発射準備中、爆発が起こりました。そのまま水深108mの海底に沈んでしまったのです。爆発したことで艦体に穴が空き、3区画が崩壊し、乗組員23名をのぞく95名が行動不能になり死亡。
ロシアですから、アメリカやイギリス、ノルウェーの各海軍の支援申請をお断り。結局118名全員が死亡してしまいました。
その時、今もめちゃくちゃなプーチンはモスクワではなくソチの保養地でバカンス。(なんかこのあたりの感性は大雨で大変な時に酒盛りやってた今話題のカルト集団に蝕まれている党とそっくりですね!)
一年後のプーチンの「私はおそらくモスクワへ帰ってくるべきだったのだろうが、事態は何も変わらなかっただろう。ソチにいてもモスクワにいても私は同程度の情報を得ただろうが、宣伝的観点から言えば私は帰ろうとする特別な熱情を示すこともできただろう」って感性がもう今のウクライナの状況をあぶり出しているあぶり出している気がします。
昨日書いたTOP GUN :Maverickは映画だとしてもこの辺の「人命」への感性が段違いで違うなと思いました。

この辺の流れを考えると、日本もきっとロシアのような「非常」な行動に出るのは明らかです。駄目ですね、憲法改正は。


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2022年8月4日木曜日

橋の日(1986/8/4)

1986年、「は(8)し(4)」の語呂合わせから、宮崎市の湯浅利彦さんの提唱により、橋の日実行委員会が制定。郷土のシンボルである河川に架かる橋を通し、ふるさとを愛する心と河川の浄化を図ろうというものだそうです。

そんな大切な日なのに、記録的大雨で、橋が流される場所も。

tenki.jpより

ここ数年、どこかで「過去に経験のないような豪雨」というのが起こっていて、もう今までの「日本の気候」とは状況が違ってきているなと思います。今回は山形県・石川県・新潟県などがひどいことになってしまいました。

山形県の橋(鉄橋)がこんなことになってしまっています。

https://www.sankei.com より

そもそも「橋」は、河川・海峡・他の交通路等の上をまたぎ、道路・鉄道等を通すための構造物のことです。
使用目的で考えると、道路橋・鉄道橋・人道橋・水路橋・ガス管橋等に分けられます。そして、材料によって木橋,石橋,コンクリート橋,鋼橋,軽金属橋等に分類されます。

この写真を見るとどうやら「鋼橋の鉄道橋」ってことでしょうね。米坂線を調べてみると、山形県の米沢市から新潟県の村上市にある坂町駅を結ぶ90.7kmらしいです。

橋などが関係していそうな事故などはこんな感じ。
1926年に開業して、今までの中で、豪雨でどのくらいなのか調べてみました。
1940年3月に荒川橋梁が雪崩で崩壊し機関車が落下。
1967年8月に集中豪雨で橋梁が9ヶ所流出。
2004年7月に豪雨で土砂崩れ発生。
2005年3月に雪崩で橋桁の一部に亀裂で1ヶ月運休。
2013年7月大雨での土砂流出で運休。
2014年7月大雨で運転見合わせ。
2022年8月大雨で鉄橋が崩落。
つまり二つのことが見えてきます。
まずはおそらく風光明媚な川などが流れる山中を走っているのだろうということです。そのためには橋やトンネルは必須なはずです。
もう一つは、やはり最近の気候の状況がおかしいなということでしょう。さまざまな技術革新がなされているはずなのに、大規模な運休が頻発していることからです。

Google Map

なるほどこういう場所ですもんね。

乗降者数のグラフを作ってみるとこんな感じです。

人数は厳しいですね。これってJR北海道だとあっという間に「廃線」になりそうです。

同じようなグラフを作ってみるとこんな感じです。(縦軸も横軸も違いますので要注意)

緑の線は函館線の「長万部ー小樽」間です。人数はほぼ同じ。営業キロは140kmなんでかなり長めです。

上空からの図だと

同じように山の中がほとんどです。何度も川を渡るのも同じです。そしてこの函館線の区間は廃線が確定しています。全く止まらないし、地表にもほとんど出てこない北海道新幹線が走る場所とかなりかぶっています。そんなの関係あるのかな?単純に赤字なんですよね。

ってことで、「橋の日」なのに全然違う話になりましたが、調べたりグラフ作ったりするのは面白いですね。

せっかくなので今まで一番恐ろしかった橋の写真をアップしておきますね。

そういえば、ネパールの地震の関係で、この橋を渡らなくてもこの川は車で渡れるようになっていました。そして、その道路はきっともう舗装されています。なんか勢いが違うよなって感じでした。

▼その時の話がこれですね

まずはもうその地区に雨が振りませんように。そして、早くライフラインが復旧し、普通の生活に戻ることができると良いなと思います。


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カエルとヘビ

定点観察場所に行ってみました。実はアメンボの脱け殻を探していたからです(この前の写真も個々で撮影しました)。

ここには、古代米の水田があります。極小規模ですが品種を維持するために残してくれているようです。クラーク博士の碑もあるくらいですから。

そうそう、こんな「市」になる前の標識も置いてありました。

今やBigBoss効果で、地価の高騰が止まらない北広島市ですが、「町」だった時代はきっと随分安かったでしょうね。

ってことで、昨日、ここの水田を覗くと、ピチピチと動いています。きっとオタマジャクシ。しゃがみ込んで静かにしてよく観察すると…いました。オタマジャクシ。ちょっと足が生え始めている奴ですね。

ここのカエル、トノサマガエルなんですよね、多分。

実は、数日前にここに行ったときにはこんなシーンに出くわしました。

シマヘビですね。これもの凄く長時間観察したのですが、残念ながら捕食のシーンには出会えませんでした。水中に潜ったりもしていましたので、オタマジャクシを食べるということもあるのだろうと思います。親もジャンプして水に飛び込んでいましたので、それを狙っているのかも知れませんが。

この間、カメラを構え、しゃがみ込んで撮影するので、背中から大量に吸血されています。寝苦しいの極み。めっちゃ痒いです。残念すぎます。でもまあ、こういうのを見ていると時間の経過を忘れちゃうんですよね。


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2022年8月3日水曜日

アメンボ

水面を気持ちよさそうにスイスイと動き回るアメンボ。アメンボはどのような生活をしている昆虫なのでしょうか。

■細い体で羽を持つ
 アメンボは細くて長い脚を持っているだけでなく、体全体も大変細くできています。生まれてすぐに水面を動き回り、何とも気持ちよさそうに感じます。ところが実態はなかなか獰猛で、餌は水面に落下した他の昆虫です。水面に落ちて暴れてできた波を感知しスイスイと近ずくのです。そしてその獲物に鋭い口をブスリと差し込み、体液を吸い取っていくのです。何となくイメージが壊れてしまいますが、これが現実です。
 もう一つは羽根。生まれてからずっと同じ水面で生活するわけではありません。あの細い体にしっかりと羽根をたたみ込んであり、しっかり飛ぶことができるのです。
 灯火につられて飛んでくることもあります。水の上のは自由に移動していますが、陸上ではあの細長い脚が邪魔するのか、案外不器用に動きます。

■名前の由来は飴 
 水の上を自由に過ごしているので、アメンボというの前のアメは雨なのかもと思ってしまいます。ところが飴です。麦芽で作った水飴です。色ではなく、水飴特有の匂いがその語源なのです。小さい体なので触ってみても「そうかなあ」と感じる程度かもしれませんが独特の匂いを発しています。
 匂いを発する昆虫の代表格といえば、カメムシ。実はアメンボ、このカメムシと同じ仲間です。匂いを出すだけでなく、’鋭い口器を持っているところも同じです、外側の羽根が体全体ではなく半分だけを覆う半翅目という仲間に分類されます。


■浮かぶのは表面張力
 アメンボが水に浮かんでいられるのはもちろん軽い体重のおかげでもありますが、水の表面張力だと言われています。確かにアメンボが浮かんでいる様子の影を見ると、見事に丸い影が映っています。脚を水が支えてくれているのです。では、水面の表面張力を減らすとどうなるでしょう。洗剤などを水に垂らすと実験できます。いくら体重が軽いアメンボといえども、支えてもらうことはできなくなります。


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2022年8月2日火曜日

理科部会実技研修会(7月29日)

寿都町のイベント前日、29日の金曜日に北海道大学を会場にして実技研修会を開催しました。

コロナの関係で、実技研修会を開催できたのは3年ぶり。

今回は北海道大学の米澤先生に講師をお願いし、タイトルは「金属コロイドをあるもので作ってみた」というタイトル。気になってしょうがない奴ですね。「あるもの」がなんともそそるタイトル。

そしてプレゼンのタイトルもしっかり「金属感あり」です。

米澤先生の研究室はもの凄い機械ばかりでした。何が凄いって、あっさり「自作しました、ないから」ってフレーズが何度も出てくるのですから。

これ、理科教師をやっている自分が「いや待て、やっぱり物を作り出すための技術・家庭科の授業をちゃんとやらないのはやっぱり駄目じゃないのか?」って思わせてくれました。絶対に駄目なんだろうと思います。

東南アジアの国の理科の教科書には、この技術科的な内容もたくさん出ていて、インドで購入したものには「エンジンのしくみ」まで理科の教室に出ていましたから。そして実際にその辺で「自力で直す」という文化がありました。翻って日本はどうでしょう?資源も何もない国なのに「壊れた、買うわ」ですからね。

これは作ってません!(w)

研究室を見学させていただいている間に、ある物とある物を混合し、加熱しながら攪拌すると、ほ〜れ、こんな感じでコロイド溶液ができました。

なんか凄いなぁ。この中にあの金属がフワフワと分散しているのですからねぇ。そしてこれの技術が医療でも大活躍する時代がすぐその辺まで来ているようで、「実験動物」に立候補しておきました。

研究室としては、電池のことも地域の特性を考慮して開発しているということで、こういう研究で世界がまわっているんだよなって実感させられました。それでも「お金がないからねぇ」とか「報告書が大変だ」って話も出てきていました。
こういう研究にしっかり国としてもお金を投入して欲しいなと思いました。あと「教育」にもです。

今度はこのコロイド溶液でちょっと「中学生向け」に実験を考えて行けたら良いなと思いました。

参加者から「久しぶりに本格的な実験装置を使って緊張した」とか「作りましたってフレーズが」って感想が多数。充実した時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

その後、反省会になったのですが、何と先生がその日のうちに移動しなければ飛行機がないということで、「いつもの国道沿いの店」で中反省会。なかなか大反省会とはなりません。短いからね。

でもまあ、こういうの美味しかったし良かったです。

ってことで、諸事情により「あるもの」はきっとそのうち公開になりますが、今は保留しておきます。もちろん「白色粉末」とかではありません。

それにしても「札幌で一番換気の良い店」は良かったです。

米澤先生、本当にありがとうございました!&今度は是非ゆっくり反省会しましょう!


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キッティンジャー大尉、人間の最高落下速度を記録(1960年8月16日)

米空軍のジョゼフ・キッティンジャー大尉が気球による最高高度31300mからパラシュート降下し、乗物によらない人間の最高速度988km/hを記録。 アメリカ空軍のパイロット、ジョゼフ・キッティンジャー大尉はガス気球を利用して単独大西洋温暖飛行に成功するなど、様々な功績を持っている。...