2022年8月3日水曜日

アメンボ

水面を気持ちよさそうにスイスイと動き回るアメンボ。アメンボはどのような生活をしている昆虫なのでしょうか。

■細い体で羽を持つ
 アメンボは細くて長い脚を持っているだけでなく、体全体も大変細くできています。生まれてすぐに水面を動き回り、何とも気持ちよさそうに感じます。ところが実態はなかなか獰猛で、餌は水面に落下した他の昆虫です。水面に落ちて暴れてできた波を感知しスイスイと近ずくのです。そしてその獲物に鋭い口をブスリと差し込み、体液を吸い取っていくのです。何となくイメージが壊れてしまいますが、これが現実です。
 もう一つは羽根。生まれてからずっと同じ水面で生活するわけではありません。あの細い体にしっかりと羽根をたたみ込んであり、しっかり飛ぶことができるのです。
 灯火につられて飛んでくることもあります。水の上のは自由に移動していますが、陸上ではあの細長い脚が邪魔するのか、案外不器用に動きます。

■名前の由来は飴 
 水の上を自由に過ごしているので、アメンボというの前のアメは雨なのかもと思ってしまいます。ところが飴です。麦芽で作った水飴です。色ではなく、水飴特有の匂いがその語源なのです。小さい体なので触ってみても「そうかなあ」と感じる程度かもしれませんが独特の匂いを発しています。
 匂いを発する昆虫の代表格といえば、カメムシ。実はアメンボ、このカメムシと同じ仲間です。匂いを出すだけでなく、’鋭い口器を持っているところも同じです、外側の羽根が体全体ではなく半分だけを覆う半翅目という仲間に分類されます。


■浮かぶのは表面張力
 アメンボが水に浮かんでいられるのはもちろん軽い体重のおかげでもありますが、水の表面張力だと言われています。確かにアメンボが浮かんでいる様子の影を見ると、見事に丸い影が映っています。脚を水が支えてくれているのです。では、水面の表面張力を減らすとどうなるでしょう。洗剤などを水に垂らすと実験できます。いくら体重が軽いアメンボといえども、支えてもらうことはできなくなります。


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2022年8月2日火曜日

理科部会実技研修会(7月29日)

寿都町のイベント前日、29日の金曜日に北海道大学を会場にして実技研修会を開催しました。

コロナの関係で、実技研修会を開催できたのは3年ぶり。

今回は北海道大学の米澤先生に講師をお願いし、タイトルは「金属コロイドをあるもので作ってみた」というタイトル。気になってしょうがない奴ですね。「あるもの」がなんともそそるタイトル。

そしてプレゼンのタイトルもしっかり「金属感あり」です。

米澤先生の研究室はもの凄い機械ばかりでした。何が凄いって、あっさり「自作しました、ないから」ってフレーズが何度も出てくるのですから。

これ、理科教師をやっている自分が「いや待て、やっぱり物を作り出すための技術・家庭科の授業をちゃんとやらないのはやっぱり駄目じゃないのか?」って思わせてくれました。絶対に駄目なんだろうと思います。

東南アジアの国の理科の教科書には、この技術科的な内容もたくさん出ていて、インドで購入したものには「エンジンのしくみ」まで理科の教室に出ていましたから。そして実際にその辺で「自力で直す」という文化がありました。翻って日本はどうでしょう?資源も何もない国なのに「壊れた、買うわ」ですからね。

これは作ってません!(w)

研究室を見学させていただいている間に、ある物とある物を混合し、加熱しながら攪拌すると、ほ〜れ、こんな感じでコロイド溶液ができました。

なんか凄いなぁ。この中にあの金属がフワフワと分散しているのですからねぇ。そしてこれの技術が医療でも大活躍する時代がすぐその辺まで来ているようで、「実験動物」に立候補しておきました。

研究室としては、電池のことも地域の特性を考慮して開発しているということで、こういう研究で世界がまわっているんだよなって実感させられました。それでも「お金がないからねぇ」とか「報告書が大変だ」って話も出てきていました。
こういう研究にしっかり国としてもお金を投入して欲しいなと思いました。あと「教育」にもです。

今度はこのコロイド溶液でちょっと「中学生向け」に実験を考えて行けたら良いなと思いました。

参加者から「久しぶりに本格的な実験装置を使って緊張した」とか「作りましたってフレーズが」って感想が多数。充実した時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

その後、反省会になったのですが、何と先生がその日のうちに移動しなければ飛行機がないということで、「いつもの国道沿いの店」で中反省会。なかなか大反省会とはなりません。短いからね。

でもまあ、こういうの美味しかったし良かったです。

ってことで、諸事情により「あるもの」はきっとそのうち公開になりますが、今は保留しておきます。もちろん「白色粉末」とかではありません。

それにしても「札幌で一番換気の良い店」は良かったです。

米澤先生、本当にありがとうございました!&今度は是非ゆっくり反省会しましょう!


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2022年8月1日月曜日

縄文ワークショップ in 寿都町

10年くらい前に寿都町に3年間だけ赴任していました。北海道教育委員会の「広域人事」という特殊な人事異動で3年間という期限限定ではありましたが参加させてもらったのです。

大変濃密な三年間で、未だに定期的に訪問してい話をさせてもらったり…爆呑したりしています。

流石にいつもそんな感じだけだったら申し訳けないよなということで、今回はイベントを企画させていただきました。現地で活動している「テラ小屋」さん、「とりっこ」さんと「楽しすぎるをバラまくプロジェクト」とのコラボレーションです。

ネタはせっかく1年前に世界遺産に登録されたにもかかわらず、コロナの関係でいまいち盛り上がりに欠け、海外からの人なんて皆無に近くて、このままじゃまずいよねって事で「北海道・北東北の縄文遺産群」をネタにしてみました。

寿都町内にも縄文遺跡があるということで、少し興味を持ってもらえればと思いました。

前日に入って、うまい食材を食いまくって、内側からアルコール消毒を完璧にして望みました(ちょっと眠かったですが)。

初めに「縄文時代に関する講義」的な感じでスタート。
その後休憩をはさんで縄文標本作りです。

粘土で作る土偶を最初にやった関係で、なんとなくみんながどんどん作業を進めてしまって、それぞれの説明は「聞いてた?」的な感じになっていましたが、それでも嬉しそうにやっていたから良いことにします。

時間が余った子どもたちは、勝手に「縄文ペンダント」を作っていました。なんか凄いよねぇ。きっと縄文時代の子どもも親が土器を作っている横で何かを作って「これも一緒に焼いてよ」とかいっていたに違いない。そんな気分になりました。

この子は「土偶団子」とかいって標本箱に入らないとかいってましたが、斜めにしたら入るよねって教えたらめちゃ喜んでいたのでおそらく「そうか対角線は長いのね」ってなったかな?小学校3年生とかいってたと思いますが。三平方の定理もいけたかもなw

最後に黒曜石を割って石器をつくり、寿都といえば日本一の水揚げを誇る「ホッケ」を捌いて終了しました。

「魚へ手が臭くなるから触りたくない」とかいっていた少年たちも、結局実際に捌いたり、手をかける場所を注意したのに聴いてなくて「ちょっと手が切れたかも知れません」と申し出てきても「きっと縄文の人だって切ったよねぇ、絆創膏もなかったんだし」といえば妙に納得して終わったりで面白かったです。

色々な人に猛烈にお世話になりました。きっとまたすぐ行くのでよろしくお願いしますね。

ちなみ今回もこちらに泊めていただきました。

「テラ小屋」では、宿坊的な感じの取り組みをしてくれます。座禅や写経体験、朝は精進料理で。是非お問い合わせを!

次のイベントも考えたいなと思います。


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2022年7月29日金曜日

今日は何の日?

ずっと放置してあったGoo Blog で展開していた「今日は何の日?」ブログを回収してきました。Goo側から、「もう編集とかできなくなりますよ」と警告を受けたので、一ヶ月無料の有料会員になって、データをエクスポートして、こちらにインポートして、有料会員をキャンセルというステップです。

残念だったのは、スパムコメントもすべてインポートしてしまったことです。ま、徐々に消していこうと思います。これ充実させると面白そうなんですよね。そんな気分に今はちょっとだけなっています。

以下は、当初の投稿です。

投稿された記事はブログの機能を利用して必要に応じて修正したり、情報を追加していくことも可能です。修正や情報追加は、元記事の作成者だけではなく、参加者が気がついたときに行います。 

またそれぞれの記事には、必要に応じてキーワードにリンクをはっています。「あの出来事があったのはいつだろう?」と探してみて見つかった記事について、さら詳しいことを知ることができるようにしていますので、辞典のように利用することもできると思います。

このようなことができるのはインターネットの特長を最大限に利用しようと考えているからです。記事の中のキーワードからはられているリンク、ブログシステムのコメント、トラックバックを活用して、情報の輪を広げていけると、全体としてすばらしい形になるのではないかと思っています。

このプロジェクトはメンバーが「遊び心」で初めましたが、登録された記事を使って、学校の授業の冒頭で「今日は何の日」の話をするなどで利用しています。それぞれの人で利用形態は異なると思いますが、こんな使い方もあるよという提案がある方はブログの方へコメントしてくださると嬉しく思います

記事は調査のうえ執筆していますが日付や内容に関して、修正箇所を見つけられた方は、ブログの記事にコメントをつけて頂くようお願いします。関連する記事へのトラックバックも大歓迎です。

現在は科学の話題が中心ですが、原稿作成者が増えてきますと、科学の話題だけに拘らずに、日本史や世界史の話題まで広げても良いと考えています。

なお、ブログにつけられたコメントやトラックバックは管理人が記事にあまり関係がない、適切ではないと判断した場合には削除させて頂くこともありますので、あらかじめご了承くださいますようお願いします。


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2022年7月11日月曜日

世界遺産登録1周年記念イベント@寿都

北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産に登録されてから早一年。結局コロナも収束せず、なかなかイベント自体も開催しにくい状態が続いていますが、我慢も限界。

夏休み期間にあわせて,今までで最も(?)お世話になった街、「寿都町」で、「縄文標本を作ろう!」というイベントを開催することになりました(パチパチ)。

既に、学校を経由してポスターを配布していただくてはずは整えましたので、この後配布枚数と参加希望者のバランスが大変楽しみです。どうなるでしょうか?

標本箱作成の用紙なども購入し、標本の中身の再準備を始める段階まできました。今回の会場はおそらく、年齢層がかなり広くなりそうな予感です。ちびっ子から大人まで納得していただけるように準備を進めようと思っています。

寿都町以外の方も参加してくださるようです。本日、学校経由でこのポスターも配布になったようですので、どのくらい集まるのか楽しみです。まあ、10人でも実施しますが、せっかくならもう少し集まってくれたら良いなとは思いますが、プリント配布枚数から考えると、それほど多くは集まらないかなとも思います。

いずれにしても、最大の問題はどの隙間で「石を割ったり、シカの角を切ったり、堅いクリの木を切る」のかということですw。明後日が校外学習、そしてそのまとめ、参観日…気がついたらきっと「前日ヤン」とかになってしまいそうな予感ですw


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2022年7月6日水曜日

味覚と嗅覚

感覚器官の学習のところで「実験」を欲している関係で、朝の03:40にトライアルに買い物に…(泣)、まあ、24時間営業って助かりますね。照明のための電気消費量と営業時間の収益等のバランスがどうなのかは甚だ疑問ではありますが、今回は助かりました。

購入したのはこれ。

一応アレルギーの確認をして、配慮するようにスタート。

やったこと…

まずはペアを作る。その片方が廊下に出て「無作為」にグミを選択する。

廊下で少し袋を開けて取り出しやすい状況にして、手で隠してペアの元へ。

相手は、目をつぶり、鼻をつまんでグミを口に入れる。

しばらく噛んで「味の判定」をして答え合わせ。その後交代して、全員の実験クリア。

結局味覚って「舌」だけの問題ではなく、嗅覚やおそらく視覚も関係ありそうねって話になりました。

流石にトライアルでかき氷作製器は買ってこなかったのですが、きっとかき氷に同じ味だけれど着色料で緑や赤に着色したら、味が「イチゴ」や「メロン」に感じそうだなって話でした。

およそいい加減な実験ではありますが、やらないよりは良いかなと思っているので、朝のとんでもない時間に、でかい段ボールから品出ししている人たちの箱をよけてこのグミを二袋だけ買っていくおっさんって完全なる不審者でしょうが、まあ良いことにしますw。

あ、そういえば、もう一つ「わさび」のわさびの辛み成分は揮発性なので、口を上に向けて食べたら辛みを感じないって話。残念ながらそんなにうまくいきませんでした。希望者とはいえ、悶絶していましたw。

でも、その後の給食では「わさびサンド」つくって食べていたようなので良いことにします(何が?)。


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2022年7月5日火曜日

白い粉の判別

という定番の実験があります。

顕微鏡で観察したり、蒸発乾固したり、溶解度を調べたりで絞り込んでいきます。

使う白い粉は「デンプン」「食塩」「グラニュー糖」「上白糖」です。

デンプンはヨウ素液ですぐに判明します。これは小学校でも学習しているのでよくわかっています。

生活経験的に大丈夫なのかな?と思わされるのは「溶け方」です。「グラニュー糖は溶けやすいけれど、上白糖は溶けにくいからすぐわかる」的な記述が目立ちました。そうなの??

ある班はどうしてもやりたい実験があると言うことで食い下がりました。「味見」は禁止事項になっているのですが「アリに味見してもらうのは駄目なんですか?」というのです。

アリってどうなるのかな?とは思いましたが、こちらの興味もあったので、自分達で準備できるのであればと言うことで許可してみました。

捕まえてきたのは「2種類」で各一匹でした。「捕まえるの結構大変だった」といいつつも、シャーレに4種類の粉を入れて反応を見ていました。

しばらくすると一種類は「ほら、これが上白糖だって!」ということになりましたw。確かにしばらくみていても、上白糖にしか行きませんでした。

そして、アリも種類によって餌が違うのかもねという新しい知識も得ていたようで、やってみるもんだなと思わされる結論でした。

実験が終わった後のアリはこんな感じで解放してあげていました。

連れてきたのは女子2名でしたが、解放しにいったのは男子3名。これまたなんとも面白かったですw。

 レポートを見ると、アリは最初塩の所にいたが、その後はずっと上白糖の所にいたようです。こういう所を双眼実体顕微鏡で観察できると、もっと色々な事がわかりそうですよね。アー面白かった。


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キッティンジャー大尉、人間の最高落下速度を記録(1960年8月16日)

米空軍のジョゼフ・キッティンジャー大尉が気球による最高高度31300mからパラシュート降下し、乗物によらない人間の最高速度988km/hを記録。 アメリカ空軍のパイロット、ジョゼフ・キッティンジャー大尉はガス気球を利用して単独大西洋温暖飛行に成功するなど、様々な功績を持っている。...