2022年8月13日土曜日

桂田富士郎が日本住血吸虫を発見(1904年8月13日)

昔から原因がわからず、それでも発症する地域が限定的な限定的なしっぽ英を「風土病」と呼んでいた。
それは感染症であったり、栄養障害だったり、風習によって起こっている場合などもあった。

日本住血吸虫症は、日本住血吸虫がヒトに寄生して起こる疾病の事で、国内での発生地域は山梨県の甲府盆地、千葉県の利根川流域の一部、福岡県や佐賀県の筑後川中下流域などで発生していた。
現岡山大学の桂田富士郎は、1904年に山梨県から連れて帰ったネコから吸虫を発見し「日本住血吸虫」と名付けた。
その後1913年に九州大学の宮入慶之助が中間宿主がミヤイリガイであることを特定し、感染ルートが解明されたのだ。実はこの吸虫、東アジアや東南アジアにも存在していた。

日本住血吸虫のライフサイクル(C)Wikipediaより

紐状の細長い吸虫で雌雄異体。ほ乳類の血管内に寄生して赤血球を栄養分にして生活する。

最終宿主の糞便から排出した卵は水中で孵化し、ミラシジウム幼生という繊毛を持つ幼生になる。これがミヤイリガイの体表に侵入し、スポロシスト幼生になる。この幼生の中にある未分化の胚は幼生から出てセルカリア幼生になる。貝の体中から泳ぎだす。そんな水中に、宿主となる生物が皮膚をつけると、なんとセルカリアが皮膚の分解酵素を分泌して体内に侵入するのだ。いやもうここまで書いていても萎えるレベルで狡猾な方法。

侵入された場所は皮膚炎を起こすが、やがて急性期。腹痛や血便が生じる。放置すると慢性期。そうなると肝硬変や腹水がたまるなどの症状を起こし、やがててんかん、それでも放置すると衰弱死だ。こわ…

ブラジカンテルという特効薬があるものの、副作用で肝臓が破壊されるためにそこは矛盾。そこで、「水田に素足で入らない」ことと「ミヤイリガイの撲滅」で解決に向かわせた。
色々な地区でほぼミヤイリガイは撲滅できたものの、絶滅はしていないので何かのタイミングで「復活」する可能性もあるので今後も要注意だ。

ミヤイリガイ(c)Wikipediaより

ちなみにこのミヤイリガイは環境省レッドリストに載っていて絶滅危惧1類だ。


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