何かの原稿です。整理のためにこちらに転載
光合成をして栄養分を自分で作り出している植物は、その役割をしている葉を一年中残しておけるのが理想です。ところが、氷点下の日が何日も続くような北海道の寒さでは、葉が凍ってしまい、死んでしまうことも考えられます。そのため、北海道には多くの落葉樹があります。秋には葉を落とし、厳しい冬を耐える樹木です。
耐えるといっても、春を迎えて葉を伸ばしたり、花を咲かせるための準備はしています。遠くから見ているだけではわかりませんが、冬芽がその舞台になっています。
冬芽は、凍って死んでしまうことがないように、厚い毛におおわれたり、粘液で包まれたりしています。この先、温かくなるとだんだん膨らんできて、花を咲かせ若葉を茂らせるのです。その形は種類によって様々なので、大変面白い観察対象になります。今の時期を逃すとまた冬まで見ることができませんから是非観察に挑戦してみましょう(写真の先端部分がクルミの冬芽)。
さて、クルミの冬芽を見てみるとまるでヒツジの顔のように見える部分があります。これは一体なんでしょう?実はこれ、去年の秋に葉がついていた場所で、葉痕と呼ばれています。目や口の部分にあたるようについている点は、維管束痕といい、根から吸収した水分を葉に運んだり、葉で作った栄養分を身体の各部に運ぶための管がつながっていた名残です。冬芽の形とおなじように、この葉痕や維管束痕も種によって形が随分変わります。
身の回りにたくさんの落葉樹があるはずです。この時期からどのような変化をしていくのか、冬芽、葉痕や維管束痕の観察をかねてやってみてはいかがでしょうか。
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さて、始発の電車に乗れるのでしょうか・・・怪しい(笑)
2010年12月11日土曜日
クルミの樹にヒツジの顔が・・・
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