以前、眼球の学習をしたときにはウシの目の解剖を実施していました。
なかなかインパクトのある実習でしたが、BSEの関係でそれも出来なくなりました。
今はブタで実習することが多いようですが、なかなかはっきりと解らないので、ブタの丸ごと一頭解剖実習の時に時間がある班は眼球の解剖をやるようにしています。
今回比較的新鮮なシカの頭部を丸ごといただいたので、せっかくですから眼球の構造も見せてあげようと言うことになり作業をしました。
片眼は自分がやって見せて、反対は子どもらがやっていました。
「将来獣医になりたい」という子もいるので、やる気満々です。
子どもの時のこういう夢を持続させて欲しい物だと思います。
今回実習後に「もういやになったか?」と聞いてみると「いいえ、ますますやる気になりました」ということでしたから、こりゃ期待が出来るぞという気分です。
シカなどの目は夜ライトを受けるとぎらぎらと光ります。
そんな現象も眼球の構造によりますから、チャンスなのです。
大きな物は解剖もしやすいし・・・ということで、多少インパクトのある画像2枚は続きで・・・
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まずは眼球を割ってみて、その内部構造を見たところです。
まるでCDのように青っぽく光っている部分は輝板といわれる部分。
ウシなどの偶蹄目、イヌなどではこれが発達しているので、目に入った光が反射して見えるのです。
血管が集まっている部分に若干黄色い部分が見えています。
これが視神経乳頭といわれる部分で、視神経の裏側にあたります。
血管が含まれているように見える膜が脈絡膜。この膜で栄養分を網膜などに補給します。
若干薄いピンク色で表面を覆っているのがカメラでいえばフィルムにあたる網膜です。
大変薄いので網膜だけ取り出すというのは至難の業。
内部にはこんな風にガラス体とレンズである水晶体。
水晶体は若干濁りはじめてはいましたが、十分レンズの効果を確認できました。
倒立実像だ〜といってレンズの向こうのひっくり返った世界を見て感心していました。
こういうのが大切だと思っています。分野の別なんかあまり関係なくて、様々にリンクしているのだという現実を知るべきですね。
レンズの表面についている黒い筋状の物が、筋肉が付いていた跡です。毛様体ですね。
これでレンズの厚みを変化させてピントを合わせているわけです。
冷静に考えるとこんな凄いしくみがコンパクトにまとめられている生物の身体というのはすばらしいですね。
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