2021年2月24日水曜日

家畜化の話からカイコの話へ

  ブタの解剖にあわせて、農作物や家畜の話をしています。家畜というと大型の動物のようなイメージを持つ人が多いのですが、カイコも立派な家畜です。節足動物の昆虫類ですが・・。

 最近は、小学校でカイコを育てることもないのかも知れませんね。うちの学校で聞いてみたところ、知識としては知っていますが、実物を見たことがある人はいませんでした。可愛いので飼育してみたら良いのにって思いますがね。今は人工飼料も売られていて手軽な素材なんですがね。

 まず、カイコは生糸を取るために飼育されます。そしてそれは「クワコ」と呼ばれる原種から品種改良によって作り出されました。クワコは普通のガと同じように飛び回ることができますが、品種改良によってカイコは飛ぶことができません。

 サナギから羽化したカイコは、酵素でせっかくの繭を溶かして外に出てきます。カイコの繭は一本の糸でできているのです。その長さは1500mにもなると言われています。

 繭を作るとき、あの狭い中で糸を吐きながら1500m分も回転していたということですよね。中でぐるぐる回転しながら繭が厚くなっていくのは飼育してみなければわかりません。

 さて、カイコ本来の姿として考えると繭の内側を溶かして無理矢理出てきます。出てきた後は産卵行動です。その前に、交尾をするのですが、相手を探すためにフェロモンを使っています。

 メスの個体をみるとこんな感じです。ここからオスを誘引するフェロモンを出すのです。

そしてオスは発達した触角を二本使ってメスの位置を確定させ接近していきます。そしてこの交尾器で交尾します。

 そしてしばらくすると産卵です。口器が退化していますので、まさに産卵マシンです。大量の卵を産んで死んでしまうわけです。

産卵させた卵は休眠卵だったりしますが、絶妙な刺激(温度変化とか酸なんかで)を与えると孵化します。

孵化したては「ケゴ」といって小さな「毛虫」です。

が、一度脱皮するともう「おかいこさん」と呼ばれるべき可愛い芋虫。

脱皮のたびに大きくなりますが、本当にかわいらしいです。それこそ新しい大河ドラマで養蚕シーンが出てきていましたが、葉を食む音がするくらいで臭いもしないし悪さもしません。これもまた家畜化の成果です。野に放ったところでもう生きてゆくこともできないのです。

どんどん成長すると、終齢幼虫に。すると、内部にある絹糸腺が圧倒的に発達し、透明感のある感じになります。

繭作りの直前には糞と大量の尿を出します。もうこの後カイコは成虫になっても餌を食べることすらありません。なんだか悲しくなってきます。

ってことで、今までのカイコの写真などをまとめてみました。

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