2021年2月22日月曜日
せっかく子豚の解剖をするので
理科の時間に子豚を提供してもらって今まで学習してきた内容を実際に自分の目で見るという実習をします。今週の金曜日です。着々と準備を進めていますが、「動物の学習」としての観点だけではなく、「人間の歴史」を理解してもらうためにも少し深めてから実習しようと思っています。まずは金曜日に「人間」がどのように他の生物を「改良」して自分たちの都合の良いようにしてきたのかとういう一面を考えてもらいました。
いつもだと、3年生の卒業間際のいろいろな教科を全て学習した後にやる内容なのですが、今年度は時間もあることですからこのタイミングでやることにしました。もう一つの理由が、友人で何冊もの本を一緒に書いてきた、左巻先生@東京大学(講演会やったよね?)が最近出した本で、「世界史は化学でできている」という本を先日東京でもらったんですが、その本の中に「カレーライスから見る食物の歴史」という項目があって、そこに出ていることがちょうどマッチしているからなのです。(因みに、この本はすでに販売開始になっていて、絶対的にオススメです。自分社会科大嫌いですが衝撃的な内容構成になっています。)
人間が現在のような生活をでいるようになったのには「火」と「農業・酪農」をするようになったからだというのは誰も否定しないはずですよね。でも、それをなかなか目の当たりにすることってないのです。そう考えると今回の解剖実習はめちゃくちゃ良いチャンスということになりそうです。
イノシシからブタを作り出したっていうのもよく考えたらものすごいことですからね。骨格や体型に色々変化が見られますから、是非積極的に挑戦して欲しいなと思います。2時間しかありません。きっとその2時間はあっという間です。でも、色々と考えさせられるとおもいますよ。
今週金曜日、子豚の解剖をします。何の根拠もなくやってももちろん何の意味もありませんから、まずは農作物や家畜の話をしました。
以前テレビ番組の番宣で「鶏肉って何の肉?」って響いてきていて、「何それ?そんな質問成立するのか?」って思っていましたが、案外成立することがわかって驚いていますw。
まずは、この二日間(午前中だったので、多くは4食)で、どんな農作物や家畜由来の物を食べたのかを思い出してもらいます。
思い出せないという子もいますが、多くは順調に進みます。北海道だとまだ「山菜」なんてありませんから食べている植物は軒並み「農作物」になります。
問題は動物。ここで「家畜って?」ってなってました。
「サケ」を食べたけど「サーモン」だと養殖してるんで・・って話になっていきます。さらに食糧自給率の話やらなんやらで、なかなか面白いです。
ところが、肉の話になると「ん?結局チキンってなんだ?何あの鳥?」ってなっている子もいました。
さらに、ニワトリの卵の話から、産卵ペースが落ちたら廃鶏になるという流れから、ほぼ誰もが「それが鶏肉」として売られていうと思ってしまうのです。
いやいや、それはない・・・そこは勘違いや。そんなに都合良くできていないんだよね。
ではブタは?イノシシの改良種。で、イノシシは北海道にいない話をするとやっぱり「え?いないんですか?」からスタート。
イノシシの生活やサイズ感を知ってもらって、「街に出てきてニュースになる」のがいかに大変なのかを知ってもらいました。
調べてみると、体重、走る速さ、牙の高さ、垂直跳び・・・もう絶望的です。
その次が「イノシシを飼うとして、どんなイノシシに品種改良していきたいか?」を確認しました。
*おいしい *おとなしい *食べるところが多い *できれば乗れるw
ってなってくるのですが「早く成長する」とか「たくさん子どもを産む」という視点にはなりにくかったです。
今回提供していただく子豚たちは「圧死」したものです。多産故の事故だと思うのです。その辺の話をしてからでなければ伝わる物も伝わりませんよね。家畜化の弊害の一つとも考えられるわけですからね。
すでに子豚はスタンバイできています。今回はどうやら学年で3名ほどが辞退するようですが、せっかくなら有意義な時間になって欲しいなと思いました。
ちなみにイノシシとブタはこんな感じで繁殖も可能です。イノブタ。
イノシシとブタが実は同じって話になりますよね。
そして今回もこの形にできれば良いのですがね・・・
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