尿素は化学史的に随分意味のある物質です。
それまでは、有機物は生物しか作り出すことができないという「生気論」が一般的でした。ところが、ドイツのヴェーラーが、尿素を作り出したのです。尿素の化学式はCH4N2Oです。
ヒトの体内では、タンパク質を摂取した後、分解されて有毒なアンモニアが生成されます。それを肝臓で尿素に作り変えて腎臓でこしとって尿として排出します。
そんなこともあって、尿素というわけですが、その響きが一方的に「尿かよ」という力があるのですが、実にいろいろなところに利用されています。
例えば肥料です。植物の成長には、窒素・リン・カリウムが欠かせません。
そのうちの窒素を補給するために、肥料として尿素が利用されています、
ディーゼルの排気ガスの除去にも尿素、ハンドクリームにも尿素です。
驚異の溶解度ですが、20度で107gです。
溶かしたものを、こうやってシャーレに入れておきます。
すると、冷却されてこんな綺麗に結晶が現れてきます。
なかなか美しいです。
実験にはもってこいです。
何と言ってもやすいですからね・・・
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